理想主義とは、今ある現実よりも、自分の理想の実現を重視する考え方のことです。そのため、現実離れしていると思われることも少なくありません。この記事では、理想主義の意味や理想主義者に見られる特徴、理想主義のメリット・デメリットについてご紹介していきます。
理想主義とは?
あなたは理想主義にどのようなイメージを持っていますか?理想ばかりを追いかけて現実に目を向けないというイメージを理想主義に対して持っている方も多いかもしれません。 理想主義とは、現実よりも理想に目を向けて自分の掲げる理想を実現していこうとする考え方のことです。そのため、理想主義的な考え方を持っている人は、自分の人生や社会に対しても理想の実現を求めます。 このように理想主義の人は理想を重視する傾向が強いため、現実を見ないと思われやすいのですが、本当に現実を見ていないのでしょうか?この記事では、理想主義者の特徴やメリット・デメリットについてご紹介していきます。
理想主義と現実主義との違いは?
前述したとおり、理想主義は、現実よりも理想を追い求めていきます。一方、現実主義は、理想よりも現実に即した対応や行動をとることを重視します。思考や行動の軸として、理想と現実のどちらを重視しているかということが、理想主義と現実主義の大きな違いです。 理想主義は、現実よりも理想を重視するあまり、その理想が実現可能かどうかまでは考えていないことも少なくありません。そのため、現実主義からは「理想ばかりを追いかけて現実を見ていない」と批判されてしまうこともあります。
このように、一見すると、理想主義と現実主義はまったく正反対のようにも見えますが、そうとは言い切れない部分もあります。理想主義であっても、高い理想を掲げるばかりでまったく実現しないという人ばかりではありません。理想を実現するために、現実的な行動をとる人もいます。 また、現実主義についても、常に現実だけを見ているわけではありません。人が行動をするときには、何かしらの目標を立てることが多いです。そしてその目標は理想をもとに立てられます。現実主義の人の行動も、理想から始まることが多くあるのです。 理想だけでは現実を変えることは困難ですし、現実だけでも現状からの向上や改善は難しいでしょう。理想主義と現実主義の違いを活かすことで、現実を変えたり理想を実現したりすることが可能になります。
理想主義者ってどんな人?6つの特徴・性格
理想主義者と言われたら、あなたはどのような性格をイメージするでしょうか?理想が高すぎて近寄りがたい性格だと思うでしょうか?もしくは理想に燃えて行動的な性格をイメージしますか? このようにポジティブなイメージとネガティブなイメージの両方を持たれてしまうのは、理想に対する思いが強いがゆえの理想主義者の特徴と言うこともできるでしょう。 ここからは、理想主義者の特徴・性格について具体的に見ていきます。
理想主義者の特徴1:いろいろなことに夢を見やすい
理想主義者は、あらゆることに対して理想を追い求めやすい性格の持ち主です。言い換えれば、いろいろなことに夢を見て追い求めている人ということもできます。 そのため、現実を無視して、自分の世界に没頭しやすい面があるので、理想主義者は「ロマンチスト」と言われることも少なくありません。自分の理想に対して、強い情熱を持っているのが理想主義者です。 このように夢見がちな理想主義者の性格は、人に夢や理想を見せることで希望を与えることもあります。しかしその一方で、理想を語り過ぎて、現実離れしていると否定的に見られてしまうことも多いです。
理想主義者の特徴2:独創的である
理想主義者は、理想を追い求めるあまり、現実よりも自分の世界に生きていることが多いため、現実にとらわれない独創的な発想をするのが得意です。 理想主義者でない人が「現実的に考えてこれが無難だろう」と判断するような場面でも、理想主義者は、自分の理想の実現を出発点としてアイデアを考えます。このように現実的に実現できるかどうかを出発点としないことで、理想主義者は独創的なアイデアを出すことができます。 理想主義者の独創性は、行き詰まっている現状の突破口になるときもあります。しかし反対に、理想主義者のアイデアが独創的すぎて、周りの人たちが理解できず混乱を招くこともあります。
理想主義者の特徴3:平和主義者である
理想主義者は平和主義者でもあります。そのため、争いごとを好みません。他の人と円満な人間関係を築くことを望みます。 ですから、自分の理想を追い求める理想主義者ですが、決して自分勝手というわけではありません。自分の理想に忠実であるあまり、周りには自己中心的だと思われてしまうこともありますが、理想主義者は、円満な人間関係のために、周りの人たちに気配りをすることも忘れません。 円満な人間関係を築くことは、理想主義者にとっての理想です。この理想を実現するために周りの人たちに気を遣いすぎて、疲れてしまうこともあります。
理想主義者の特徴4:人間関係を深めることを好む
理想主義者は、人間関係において、その関係性を深めていくことを好みます。理想主義者は、自分の理想を周りの人たちに語るので、周りに対して心を開いているように見えることもありますが、実際には、自分のことを多く語るというタイプではありません。 なぜなら、本当に親密な深いつながりを持つ人たちだけに自分のことを理解してもらえれば良いと思っているからです。そのため、浅い人間関係にはあまり意味を見出さないという傾向が見られます。 ですが、前述したように、理想主義者は平和を好む性格の持ち主なので、関係性の浅い人だからといってないがしろにすることはありません。
理想主義者の特徴5:他の人にも理想を求める
理想主義者は、自分が理想を持っているのと同じように、周りの人たちにも理想の実現に向かって行動することを求める傾向があります。 理想主義者は「自分の理想を周りの人たちにも理解してほしい」という思いを持っているので、自分自身が描いている理想を周りの人たちに押し付けてしまうことがあります。 また、理想主義者にとっては行動する前提として理想を持っていることが当たり前です。そのため、理想がないままに現実から考えるということは理解できず、他の人にも理想を掲げるように求めることもあります。
理想主義者の特徴6:恋愛が進展しづらい
理想主義者は、恋愛においても高い理想を求めます。そのため、理想主義者の恋愛はなかなか進展しないという傾向が見られます。 まず、パートナーを選びにおいても高い理想を持っているため、そもそも相手を見つけることが難しいというハードルがあります。そしてパートナーにめぐり会えたとしても、自分の理想のとおりにパートナーとの関係性を築こうとするため、恋愛が進展しづらくなるのです。 しかしその一方で、理想主義者は人間関係に対して誠実であろうとし、さらに関係を深めていくことを望みます。ですから、理想のパートナーと出会い、互いの愛情を深めていくことを理想どおりに進められたときには、最高のパートナーシップを築いていくことができるでしょう。
理想主義のメリット・デメリットは?
理想主義者は、現実よりも理想を重視する傾向が強い人です。この理想に対する強い思いが、良い結果をもたらすこともあれば悪い結果をもたらすこともあります。 ここからは、理想主義のメリットとデメリットについてそれぞれご紹介していきます。
理想主義のメリット
理想の実現を強く追い求めるという理想主義の特徴は、現実に縛られずに行動できるというメリットでもあります。 まずは、現実に縛られないことが理想主義の人にとってどのようなメリットになるのかについて具体的に見ていきましょう。
メリット1:他の人に希望を与えることができる
理想主義のメリットの1つ目は、理想を語ることで他の人たちに希望を与えられることです。 理想は、ときに「机上の空論」として扱われて軽視されることもありますが、希望を失っている人たちに光を与えてくれるものであることも事実です。 何かしらのアクシデントに巻き込まれるなどして現状に希望を見いだせない状況に置かれても、理想を見出すことができるのが理想主義者の強さです。理想主義者が絶望の中で理想を語ることで、周りの人たちに希望を与えることができます。
メリット2:積極的に行動できる
理想主義のメリット2つ目は、積極的に行動できることです。現実に目を向けてしまうと、理想と現実のギャップに打ちのめされて行動できなくなってしまうこともあります。 しかし理想主義者は、現実よりも自分の理想を実現することを重視し、情熱を燃やします。そのため、理想の実現に向かって積極的に行動し続けることができるのです。
メリット3:大きな成果をあげやすい
理想主義の3つ目のメリットは、大きな成果をあげやすいことです。現実に即した行動も目標を達成するときには大切なことですが、そればかりでは大きな成果をあげることはできません。 理想主義のように、現実よりも「自分が何を成し遂げたいのか」という理想をひたすらに追求することが、大きなことを成し遂げることにつながるのです。このことは、多くの成功者が周りからの批判にも屈することなく理想を追い求めたことで成功を手にしている事実からも明らかでしょう。 とはいえ、大きな成果を得るためには現実的な行動ができることも重要です。ですから、大きな成果をあげやすいというのは、現実も適度に見ることができる場合の理想主義者のメリットであるということができます。
理想主義のデメリット
現実をあまり見ないという理想主義の特徴は、確かにメリットではありますが、同時に、理想の実現においてデメリットにもなります。 ここからは、理想主義のデメリットについて具体的に見ていきましょう。
デメリット1:理想を重視するあまり現実を見ない
理想主義のデメリット1つ目は、理想を重視するあまり現実をほとんど見ないことです。理想を実現しようと思ったときにまず最初にやるべきことは、現実を知ることです。現実を見て今の自分の状況を知らなければ、理想を実現するために何をする必要があるのかがわかりません。 何をする必要があるのかがわからないということは、どのように行動したら良いのかもわからないということです。そのため、理想を実現するための具体的な行動をとることができす、理想は理想のままで終わってしまいます。 また、現実をほとんど見ていない理想主義の人は、理想を語るわりには現実での行動がともなっていないため、周りの人たちからは「もっと現実を見なさい」と言われてしまいます。
デメリット2:現実的な行動を考えるのが苦手
現実的な行動を考えるのが苦手というのが、理想主義の2つ目のデメリットです。理想主義者は、現実をあまり見ないので理想を実現するために必要な行動がわからないという部分もありますが、現実的な行動を考えるのが苦手な理由はそれだけではありません。 理想主義者の思考は「こうなりたい」「こうしたい」という理想から始まります。ですから、現実をスタート地点として考えるということ自体が理想主義の人には難しく、具体的な行動を考えることは得意ではありません。 しかし現実的な行動を考えるためには、現状を把握して「理想を実現するにはどうしたらいいのか」と現実に即して考えることが必要です。
デメリット3:理想と現実のギャップに上手く対応できない
理想主義の3つ目のデメリットとして、理想と現実のギャップに上手く対応できないことが挙げられます。理想主義者は高い理想を掲げがちです。 ですが、理想主義者は現実をあまり見ないため、高い理想と現実の自分とのギャップになかなか気づくことができません。そのため、「自分には実現できる!」と思っているのに、「まったく理想を実現できない」という現実に直面することになります。 現実も見ることができる人なら「理想が高いのだから」と思うことができるのですが、高すぎる理想と現実のギャップに気がついていない理想主義者は、このギャップに上手く向き合うことができません。理想を実現できないことに悩み苦しんでしまいます。
理想主義のデメリットを知ればメリットを活かせる!
ご紹介してきたように、理想を重視して現実をあまり見ないという理想主義の特徴は、メリットにもなればデメリットにもなります。 理想主義のメリットを最大限に活かすためには、まずは理想主義のデメリットについて知ることが大切です。デメリットを知っておけば、自分がデメリットの状態に陥ったとしても気がつけるようになるからです。 理想主義のデメリットに陥っていると気がついたら、周りの人にアドバイスを求めたり、現状を書き出して客観的に見るなどして、現実的な対応をとることができるようにしていきましょう。苦手な部分については他の人の力を借りることも理想を実現するためには大切です。
理想主義を活かすかどうかは自分次第
理想主義は、自分の人生だけでなく社会すらも良くすることのできる原動力になる考え方です。ですが、ただ理想を語るだけの理想主義は、人生も社会も何も変えることはできません。 私たちは現実の中で生きています。ですから、理想を現実の中で実現するためには、現実をしっかりと把握することも必要です。 自分の力だけでは難しいのなら他の人の力を借りて、自分の中の理想と現実のバランスを上手くとっていきましょう。そうすることで理想の実現へと近づいていきます。理想主義という素晴らしい能力をどのように活用するかは自分次第です。
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